四ツ谷コーヒースタンド

2019年03月23日 四ツ谷コーヒースタンド

都会と自然が調和する街「四ツ谷」で朝の一杯を楽しめるおしゃれなコーヒースタンド。昔ながらのサイフォン式コーヒーにこだわる理由とその魅力とは。

この記事の目次
  1. ほっと安らげる時間を提供できる場所に
  2. コーヒーの世界へと誘うサイフォンの魅力
  3. 「毎日飲む」を実現するために
  4. 興味とともに広がっていく「これから」

オフィス街である四ツ谷の大通り沿いに面し、四ツ谷駅からもほど近い場所に位置する「四ツ谷コーヒースタンド」。オーナーの河西さんが手を止めて「こんにちは」と迎えてくださいました。

ベンチの下には荷物入れとブランケット、足元にはかわいらしいヒーター、河西さんのお客様への心遣いと温かみのある人柄が垣間見えるよう。「いってらっしゃいませ」と朗らかに送り出してくれる河西さんにお店へのこだわりについてお話を伺いました。

ほっと安らげる時間を提供できる場所に

東京都23区のほぼ中心に位置する四ツ谷にお店を構える「四ツ谷コーヒースタンド」。実は場所にこだわりはなかったのだそう。

「家の近く、オフィス街、理想の広さが確保できる場所といった希望をもとに物件を探している中でやっとこの場所を見つけたんです。オフィス街の近くにあり、一人でお店を回したいという思いを叶えられるちょうどいい広さの物件でした。」

店内は人が一人通れる幅の通路と横7、8メートルほどの手を伸ばせばすぐに届くくらいのこじんまりとしたスペース。一人でお店を回したい河西さんの思いが叶う広さです。

自宅からの距離やちょうどいいスペースやオフィス街、これらの希望の中でも特に「オフィス街」への希望が強かった河西さん。そのこだわりの理由とはどこにあるのでしょうか?

「コーヒー屋さんをやるにあたって、働いている人に飲んでほしいという想いがありました。忙しく働くオフィスの人たちに、コーヒーのおいしい世界とその楽しさを伝えていきたいなって。そこでオフィス街でお店を始めることにしたんです。」

前職はウェブ関係の仕事をしていた河西さん。社会人時代に働いていた時にはコーヒーがおいしい感覚がわからなかったのだそう。

「自宅で仕事をするようになって時間に余裕ができたんです。接客業をしたいとカフェで働き始めたのがコーヒーと向き合ったきっかけですね。

その職場ではコーヒーの勉強会も行われていて、そこでコーヒーの知識を学び始めて興味を持ったんです。焙煎度合いが変わることによりコーヒー自体の香りや風味などが成分の化学反応により変化することや、一粒一粒のコーヒー豆にはストーリーがあることをそこで初めて認識しました。」

コーヒーの世界へと誘うサイフォンの魅力

「サイフォンをやっている方には怒られてしまうかもしれませんが、サイフォンで淹れるコーヒーが一番とは思っていなくて…」と遠慮がちに話しはじめた河西さん。

「それぞれの淹れ方によさがあるので、サイフォン以外のコーヒーは認めない!という気持ちは全くないです。譲れないこだわりがあるわけではなくて、オフィス街にお店を開くにあたりお客さんへのさまざまなメリットを考えた結果、サイフォンがいいのかなとこの淹れ方を始めたんです。」

「サイフォンの場合2分半ほどでコーヒーを提供できます。さらにサイフォンは抽出する時の温度が高いので、出来上がりの温度も高い。テイクアウトでオフィスまで持ち帰る状況を想定すると冷めにくい方がいいかなということでサイフォンを選択しました。」

そして実際にお店で提供し、日々サイフォンと過ごしている河西さんにサイフォンの魅力を尋ねてみました。

「サイフォンにはいろいろな魅力があります、まずひとつは珍しいこと。このようにサイフォンで淹れる様子を間近で見ることはあまりないかと思います。」

日本の喫茶店ではよく見ることのできるサイフォン。

サイフォンとは、水の蒸気圧を利用してコーヒーを抽出することのできる写真のようなガラス製のものを指します。コーヒーがフラスコの中にポタポタと落ちていく不思議な光景、まるで実験をしているような光景を間近で見て筆者も思わずわくわくしてしまいました。

縦型のサイフォンは日本で開発されたもののため、海外の方はサイフォンを初めて見る場合が多く「これでコーヒーを淹れるの?」と初見で興味を持ってもらえるのだそう。物珍しさからの興味が、コーヒーの世界への入り口のきっかけにもなるんですね。

さらに豆とサイフォンの相性の良さについても話してくださいました。

「2つ目の魅力は、浅煎りの豆とサイフォンの相性がとてもいいことです。

浅煎りは豆自体の味が出づらいので、香りや特徴をよく出すために高い温度のお湯で抽出するのがセオリー。サイフォンはそもそもお湯の温度が高いので、浅煎りの豆の味を出すのが得意なんですよね。もともと相性がいいものだったんだなと実際に使用して初めて気付いたんです。」

「毎日飲む」を実現するために

メニュー表を見て驚いたのはコーヒーの値段。なんとコーヒーが1杯300円!

個人経営のカフェや喫茶店のコーヒー1杯の値段はおおよそ400〜700円ほど。比較してみるとあまりにも良心的な値段に心配になってしまいます。

「お店を始めたきっかけのひとつに、毎日おいしいコーヒーを飲んでもらいたい、という想いがありました。ネックとなるのが値段なので、どうしても抑えたかったんです。

ひとりで運営していくにあたり、これくらいだったらなんとかいけるのかなと設定したのが『300円』。不安はありましたが、現在は安定してきました。」

「お客様にも心配されることがありますが、オープン当初から今まで変わらぬ値段でやっています。

この値段であれば毎日通うことができ、さらに1日に何杯も飲んでもらえるんです。多い方だと1日を通して5、6杯飲んでくださる方や、長居しながら何杯も飲んでくださる方もいます。」

お客様とのエピソードを微笑みながら話す河西さんの表情が印象的でした。シチュエーションに合わせたお客様目線を大切にするだけでなく、目的を解決するため努力や創意工夫がお店にはたくさん詰まっています。

興味とともに広がっていく「これから」

2018年の3月2日にオープンした四ツ谷コーヒースタンド。2周年を迎えたお店の「これから」について尋ねてみました。

「そうですね、常連さんもついてくれて営業的には安定してきました。これからはさらにお客様の満足度を上げていくことと、自分のコーヒーの知識をアウトプットすることに重点を置いていきたいと思っています。」

「セミナーを開いてみたいですね。『家だとおいしく淹れられない』『製法の違いは?』とよく聞かれるので、コーヒーの知識を伝えられる場を設けたいなと思ったんです。知識が増えることにより、コーヒーだけでなくいろいろなものに興味が増えていく。そこからさらに世界が広がっていくのではないかなって。

お客さんにそういうものについて共感してほしいなと思っています。」

コーヒーとは全く関わりのなかったウェブ業界から転身。

仕事をしていく中で余った時間でコーヒーに関わる日々を過ごし、その興味の先に自身でコーヒースタンドを立ち上げるという世界が待っていました。コーヒーから広がる興味とは、接客をしたいと思った河西さんがコーヒーの世界に興味を持ったように、コーヒーに興味を持ったあなたがコーヒーの産地からさらにはその国自体に興味を持つ、こんな風に広がっていく世界のことを表しているのでしょう。

河西さんが語るからこそ、「興味を持つことで世界が広がる」という言葉にじんときます。

そんな河西さんが魅力の詰まった「サイフォン」でコーヒーや豆の世界への入り口を優しく開いてくれます。オフィスで働いている方々も、サイフォンに興味を持った方も、こだわりのコーヒーを味わいに訪れてみてはいかがでしょうか。

忙しく過ごす日々の疲れや重さを和らげてくれるような、優しくほっこりとした癒しの空間が迎えてくれますよ。ぜひコーヒーができあがるまでの時間も楽しんでくださいね。


四ツ谷コーヒースタンド 店舗情報

住所:東京都新宿区四谷2丁目2番地 第22相信ビル1F
アクセス:JR四谷駅 徒歩3分
営業時間:8:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日 / Sat, Sun, Holiday
座席数:2席(二人掛けのベンチをご用意しています。)
CAFE PASS:https://cafepass.me/shops/show/1068848419
ホームページ:http://yotsuya-coffee.tokyo

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